牛乳パックの色・日米パッケージの比較と色の効果

色で識別する 生活編#1

毎日食卓で使われている食品には乳製品や卵などがあり、頻繁に買う商品です。

特に牛乳は賞味期限があり、毎日のように買う商品でもあります。

日々使う商品の買い物は深く考えず、パッと見て時間をかけずに買いますよね!?

パッと見るだけで何の種類か分かるのは、商品に識別するための色があるからです。

 

色で分類されている商品をご紹介するシリーズ、今回は牛乳パックについて。

牛乳パックの色は消費者が商品を見分けるための重要な情報になり、世界各国で見分けるための工夫がされています。

会社のPRブログに載せているアメリカの牛乳パックと、日本の牛乳パックの分類についてご紹介します。

 

アメリカの牛乳

アメリカの牛乳の色(プラスティックボトルの場合は蓋の部分)は、成分別に色を分類するためのガイドラインがあります。

明度の差はありますが、以下のような分類になっています。

Whole Milk – Red Labels
(成分無調整乳ー赤)

Whole milk labels are universally red, making them stand out from the reduced-fat and skim milks. Whole milk contains 8 grams of fat per cup, which equates to about 3.5 percent milk fat.

Reduced Fat Milk – Blue, Yellow, Green Labels
(低脂肪乳ー青、黄、緑)

Reduced-fat milk label colors vary by dairy manufacturer, with either a blue, yellow or green label. For example, Kemp’s and Dairy Maid dairies both use yellow for their 2% milk, while Clover Organics and Borden use blue. A general guideline is blue or yellow for 2%, and green for 1% milk.

The Colors of Milk Labels & What They Mean By Renee Shelton

 

上記のようにガイドラインがあるのは、文字が読めなくても色を見て生活必需品が買えるようにするため。

多民族国家アメリカだからこそのルールですね。

そこで気になるのは、なぜ成分無調整牛乳には赤を使うことにしたのか、色を選んだ理由についてです。

上記の分類も含め、参照した記事によれば、

Almost unanimously, the color for whole milk caps and labels is red — aside from a few rogue dairies that choose shades of orange or brown — which, light research suggests, is the result of do-as-the-Romans-do-type mentality. I looked up how the red cap started and why it is the preferred color chosen by most dairies, but there’s virtually no authoritative evidence.

The Meaning of Milk Label Colors By Mikey Rox on 17 November 2011

なぜそれぞれの色が選ばれたのか、きちんとした根拠はなかったと書かれています。

アメリカ以外の国でも牛乳の分類する色は国ごとに違いますので、この記事の結論は 郷に入れば郷に従え です(笑)

他国のリサーチ結果を見ても、一般的に人は色を見て商品を見分けていることが分かります。

例えばクロアチアの大学の調査結果では、買い物中に牛乳の種類別カラーを見る人は90%

商品を見分けるために色は大切なアピールポイントになるということですね。

 

日本の牛乳

日本ではアメリカのように色で識別するための決まりはなく、それぞれのメーカーで色が違っています。

パッケージのコンセプトは、各メーカーの戦略や印刷する色の遮光性の視点などから考えられているようですね。

陳列棚を見ると、白+青の組み合わせが多く、次に白+緑の組み合わせとなっています。

白と青は共に清潔感を感じさせるイメージカラーであり、ミルク牧場と青空を連想させる色として最も多く使われているのでしょう。

緑は、牧場や草原風景の緑などにつながるイメージカラーとして、パッケージに使われているようです。

多民族国家のアメリカと比較した場合、日本は単一民族であるため識字率も高いので、牛乳も文字を読んで識別するパッケージとなっています。

 

色で識別する効果

色を識別することで安全対策につながるものはいくつもあり、例えば配管に貼られているテープ。

配管に使われているテープ、こちらはルールがありそれぞれの用途が定められています。

例えば青のテープは水の配管、白のテープは空気など、詳しくはカラーテープのサイトをご覧ください。(写真もこちらのサイトからお借りしたものです。)

 

色で分類すると一目で違いが分かるため、ヒューマンエラーを防ぐ方法としても大変有効です。

日常生活でもヒューマンエラーを防ぐために使われている色として、ガソリンスタンドのノズルの色があります。

軽油は緑、ハイオクは黄色、レギュラーは赤、急いでセルフスタンドで給油する時は色を覚えていると簡単ですね!!

色の効果は様々な形で日常生活に使われていますので、今後もテーマを決めシリーズとしてお伝えしていきます。

 

参照文献

The Colors of Milk Labels & What They Mean By Renee Shelton

The Meaning of Milk Label Colors By Mikey Rox

THE COLORS OF MILK LABELS – PEOPLE KNOW WHAT THEY MEAN? Karlovac University

牛乳パッケージの色彩とデザインの日米比較文化研究 多摩美術大学:日高杏子

JIS配管識別テープ 株式会社石井マーク

色情報の活用と有効性 京都大学:石田泰一郎

セルフスタンドでの給油の注意点について JAFクルマ何でも質問箱