オリジナリティはかけた時間に比例する

立春も過ぎ寒桜なども開花が始まり、厳寒の中でも春の訪れを感じるようになりました。

空間ディスプレイも季節を先取りするため、現在は桜を使ったディスプレイを考えたり、春のお祝いシーズンに欠かせないコサージュを作成中です。

フラワーアレンジメントも含め、デザインやアイデアを考えることは本当に時間がかかります。

短時間にすませることも出来ますが、それではオリジナリティが出せないと思っているからです。

 

デザインを考える順番

例えば、HPのデザインなど身近でよく見ているデザイン、一般的な方法としてデザインする時にどう考えていくのかの順番は

たくさんあるHPのデザインの情報を見て、そこから自分の好きなデザインを探し、それを参考にしてそのデザインに近いものを作る。

他のデザインであっても、一般的にはこの順番で考える場合が多いのかなと。

 

素敵なデザインというのは、そのデザインと内容がぴったりと一致しているからこそ素敵だと感じるもの。

しかし、自分の伝えたいことや表現したいものは、自分が気に入ったデザインにぴったり当てはまるわけではなく、

誰かが作ったであろう気に入ったデザインを参考にして考えていく場合は、考える順番によっては個性がなくなり、自分の作りたいものを表現しきれないと思っています。

私がアレンジのデザインを考える時には参考にするものはなく、何の本も開かずアレンジの写真を見たりもしないで考えます。

もちろんそれまでは情報を集めて頭に入れていますが、自分のデザインを考える時にはあえて何も見ないようにしています。

目の前に並べた自分が選んだ使いたい素材、お客様のご希望や用途、そこから自分が表現したいことを考えるので、無の状態からスタートします。

とりかかる前は、本当にできるのだろうかと正直できる気がしない状態なのですが、スイッチが入り集中するといつのまにか出来上がります。

この状態って、音楽の演奏にも似ているな〜と最近感じる時もあり、演奏というのは曲の中に入り集中した時に良い演奏がいつのまにかできたということが多かったので。

 

そうやって考えたアレンジの形は、もしかしたら似たような形は探せばあるのかもしれません、しかし個性は全く違うものになっているはず。

会社のオリジナリティを追究する役目の私にはまだまだやるべきことがたくさんあり、仕事には日々の勉強が欠かせないことを実感しています。

 

信頼できる情報源としての本

オリジナリティのあるアイデアを考えるために今も情報を集め続けていて、色彩に関する本は本屋さんの色彩コーナーを作れるほど持っていますし、アレンジの本も増え続けています。ブランドのバッグやジュエリー、洋服などは切りがないほど欲しいと思ったことはないのですが、本だけは切りがなく欲しいものがたくさんあります(笑)

余談ですが、子供の頃から私の優先順位の1位は読書、面白い本は寝ないで最後まで読もうとするので、よく両親に「眼を悪くするから本ばかり読むな」と注意されていました。

そう言いながらも、父はおもちゃはダメでも私が欲しいと言った本は買ってくれましたし、誕生日プレゼントはいつも本、子供部屋のクローゼーットには洋服は入っていなくて、三方の壁が全部本棚でした。

子供向けではない大人の読む世界の文学もたくさんあったので、その本棚の間に座り、手当たり次第に読んでない本を次々に読んでいたことを思い出します。

母は毎週図書館へ連れていってくれましたので、いつも読みたい本に囲まれていた子供時代でした。

 

今は何でも情報はネットから得られる時代になりましたが、私は本からの情報が一番役に立つので、仕事以外の時間も仕事の本を読む時間に使っています。

時間があれば必ず本屋さんに立ち寄り、面白い本、見たことない本が入荷していないかを頻繁にチェック、本は実物を見た方が内容が良く分かるので、

アマゾンでも簡単に購入できますが先に本屋さんで探して、なかったらネットから買うようにしています。

ただ、本は重たいので、持ち歩きたい本は端末に入れるためKindle版を別で購入しています。

そのようにして大量に情報を頭の中に入れてから、アイデアを考えていきますが、デザインのアイデアは、完成形をパッと思いつくことなくて、付け足したり削除したりを繰り返して作り上げていきます。

その全行程を考えると、デザインを考えるのにはとても時間がかかる、ということなのです。

情報収集をせず、勉強をしなくても考えることはできますが、その完成度はかけた時間に見合ったものになると思うので、

実際のデザインにとりかかる、またはアイデアを考える前段階の準備である勉強には、本を読むことも欠かせないと思っています。

どれだけの時間を勉強に割いたのか、検定試験の勉強もそうですが、かけた時間は決して裏切らないということですね。

 

Izumi Kamei