ふとこぼれた言葉が、人生の扉をひらいてくれた
「死ぬまでにやっておきたいことって、何がある?」
コロナ禍、娘たちとの何気ない会話の中で、そんな問いが投げかけられました。
背中を押してくれたのは、娘のひと言
「死ぬまでにやっておきたいことって、ある?」──その問いに、思わずこぼれたひと言がありました。
それが、ハープとの物語のはじまりでした。
私はちょっと笑いながら、何気なくこう言いました。
「……ハープを弾いてみたい、って子供の頃からずっと思ってたんだよね」
「でも今さら、難しいよね〜」
それは、長く胸の奥にしまっていた憧れ。
でも今さら──そう思っていた私にとっては、小さな挑戦の始まりでした。
でも、娘たちはすぐにスマホで検索して、
「ここ、近くにあるよ!体験行ってみたら?」と、強く勧めてくれました。
その勢いがなければ、私はきっと動けなかったと思います。
自分ひとりだったら、また心の奥にしまい込んでいたかもしれません。
調べてみると、通える距離にハープ教室がありました。
とりあえず、ハープという楽器を実際にこの目で見てみたい。触れてみたい。
そんな気持ちで、体験レッスンに申し込みました。
実物を見たことすらなかったけれど、少しでも音を出せたら、それだけで満足かもしれない。
そんな軽い気持ちも、正直ありました。
初めて触れたハープと、その後の迷い
体験教室で出会ったのは、47弦のグランドハープ。
目の前に立ったとき、圧倒されるような存在感と、美しい音の響きに心を奪われました。
ハープの音は自分に向かって響いてくるから、自分が音に包まれていくような感覚になり、思わず胸がいっぱいになりました。
練習はとても楽しかったけれど、だんだんと指に痛みを感じるようになって
このまま続けられるのか、少しずつ不安が重なっていきました。
そんなとき、「指が痛くならない弾き方ってないのかな?」と検索をして、
今の恩師 松岡みやび先生にたどり着きました。
オンラインレッスンで、自分のペースで学べること。
何より、奏法そのものが身体にやさしくて、
本当に、驚くほど指が痛くならなかったんです。
そして、先生の教えそのものが、私にとって大きな支えになりました。
「間違ってもいいんですよ」
その言葉は、今も私の歩みを支えてくれています。
「心と体はつながっているから、力まずに」
いつも「ちゃんとしなきゃ」と自分を縛っていた私にとって、
その言葉は救いでした。
音に包まれる体験が、わたしを変えていった
自分が奏でた音に、自分自身が癒されていく──
そんな不思議な体験を重ねるうちに、心と体が少しずつ整っていくのを感じていました。
音に包まれる。音に寄り添われる。
ハープの音は、自分に向かって響いてくる。
まるで、自分が自分を癒すような感覚。
そんな風に感じられる癒しの楽器は、私にとって初めての存在でした
そして音との時間を重ねるうちに、
「この音と一緒に、色のことも届けられたら」と思うようになりました。

そして今、伝える側へ──音と色を届けたい
ハープを始めて4年。
この春、ついに講師の資格を取得することができました。
今、音と色を組み合わせた体験を届ける活動を「音彩サロン」で始めています。
やってみたいと思ったことが、いま“伝えたいこと”に変わってきました。
あのとき娘たちに背中を押してもらわなければ、
今の私はいなかったかもしれません。
人生の後半にも、新しい一歩を踏み出せることを
私は自分自身で知ることができました。
そして今度は、
「本当はやってみたかった」「でも、もう遅いかも」と感じている
そんな誰かにとって、これが再出発のきっかけになるといいなと思っています。
🌸次回は、「音彩サロン」の中で音と色がどう交わっているのか、
実際の体験やエピソードも交えてご紹介します。
またぜひ、読みに来てくださいね。


