止まった時間が教えてくれた、ほんとうにやりたかったこと

色彩理論を伝える仕事から始まった私の活動。
コロナ禍、ハープとの出会いを経て、新たに「音と色が出会う場」を作り始めました。
その流れと、私自身の再出発の想いを綴ります。

しばらくご無沙汰していました。
またこの場所で、今のわたしの歩みを少しずつ綴っていこうと思います。
なぜなら、これまでとは少し違う、新しい流れが生まれてきたからです。

色彩理論から始まった私の活動

私の色の仕事は、理論を「知ること」よりも、「使えるかどうか」を大切にしてきました。
ベースカラー理論との出会いが、すべての始まりでした。

Polar Colorを立ち上げたとき、私の関心は「色の理論が、現場で本当に役に立つのか」ということでした。
単なる知識ではなく、実際に“使える理論”として、誰かの役に立つのか。

フラワーアレンジと空間ディスプレイでの実践

私はまず、それを自分自身で確かめたくて、ベースカラー理論やグラデーション配色を取り入れたオリジナルのフラワーアレンジを制作し、
インテリア空間と調和させる装飾として、空間ディスプレイの仕事を始めました。
納品先は、主にビジネスホテル。

ホテルの“顔”に色を届ける仕事

ロビーやフロント、ホテルの顔とも言えるエントランスなどに「色の力で心地よさをつくる」ことを実証する日々でした。
その仕事が軌道に乗り始めた頃、コロナ禍で全ての案件が止まりました。
でも、私はふと思いました。
「本当にやりたかったのは、理論を自分で使うことだけじゃなくて、広く伝えることだったんじゃないか」と。

コロナ禍で止まった時間と、本来の願い

思いがけない形で仕事の流れが止まり、静かに向き合う時間が生まれました。
そして、私は本当にやりたかったことに気づいていきます。

ベースカラー理論との衝撃的な出会い

私が初めてベースカラー理論を知ったとき、「どうして今まで知らなかったんだろう」と思うほどの衝撃がありました。
「もっと早く知っていれば、もっと自分の選択に自信が持てたかもしれない」
「何かを作る時に迷わずにすんだかもしれない」
そんなふうに思った自分がいたからこそ、
私と同じように悩んでいる誰かに、届けたいと思ったのです。

講座づくりという次のステージへ

そんな想いから、講座を作りました。
色相環や専門用語にとらわれすぎず、生活や趣味に活かせる「わかりやすく・使える」色彩理論。
でも、講座だけでは届かない人もいます。
「理論より、まずは感じたい」「楽しんで触れてみたい」
そんな人たちのために、《音彩(ねいろ)サロン》を立ち上げました。

色を感じる体験としての音彩サロン動

講座の前に、もっとやさしく色に出会える場所が必要だと感じました。
そうして生まれたのが《音彩サロン》です。

音と色が出会う場所としてのサロン

ハープの音に包まれながら、自分と色と向き合う時間。
気負わず、でも確かに“わたし”を感じる場所。
音彩サロンでの体験が、色彩講座への一歩になったり、
あるいは「自分もハープを弾いてみたい」と思うきっかけになったり──
そんなやさしい流れが、今、少しずつ育っています。

サロンから講座やハープ教室へのやさしい流れ

この流れができたのは、私自身がハープ講師としての資格を取れたからこそ。
習い始めて4年、ようやく「伝える側」として音と関われるようになりました。
これからは、「色」と「音」が出会う場所を、もっと多くの人に届けていきたい。
自分を取り戻すような体験を、そっと手渡せるように。
そんな想いで、今この一歩を踏み出しています。

──ではここから、どうして私がハープを始めようと思ったのか。
そのきっかけを次回、改めて綴ってみたいと思います。