色の付加価値を表現するために
Polar Colorのショップサイトが完成した今、何とか形になったことにホッとしています。
お花のオーダーメイドを作るようになった時から「誰かに紹介した時に商品を見られるようなサイトを作って」と言われていたのですが、1年以上経ってしまいました。
全てオーダーメイドで一つ一つ作っていましたが、数が増えると1人では作りきれなくなるため、その部分をクリアできずにいたからです。
量産するために、誰が作っても同じクオリティで同じ美しさになるように、デザインからパーツの準備まで工程を全て見直すことから始めました。
システムを作り上げること
ショップサイトを作る話が出た時から、量産できるシステム作りをしなければ、と言い続けながらも、どうしたらよいのか分からず。。
すべてが手探りの状態で、一つのアレンジメントを何日も作り直して、バラバラになった材料が目の前で山になっていく中、
もうこれ以上は本当に無理、と諦めようとするとアイデアが降ってくる、そんなことが数回あってようやく誰でも作れるようなデザインを考えました。
普通のアレンジメントは、材料と作り方を説明してその通りに作れば出来上がりますが
Polar Colorのアレンジメントは色の付加価値として色のグラデーションを表現しているため、少しの色合わせの違いで全く雰囲気が変わってしまいます。
微妙な色差をコントロールしながら作っていたオーダーメイドのアレンジメントを、誰が作っても同じ美しいグラデーションを作れるようにする
思いついたら「なんだ、そんなことか」と思うようなことも、固定観念に縛られているうちは全く思いつかないもの、
完成したその時、なぜかコロンブスの卵のことが浮かび、その意味を実感した瞬間でした。
やめられないからやる
諦めないでやり続ければできる、というのは後から言える話であって、「諦めないで頑張ろう〜」と思えるのはまだ余裕がある間のこと。
できるかどうかも分からない状態が続くと、精神的なストレスもあり疲れで集中力もなくなり、もう無理っ!!って思ってしまうもの。
それでも私が続けられるのは単純に、今までの苦労が水の泡になってしまうから、の一言に尽きます。
これまでそのためにかけてきた時間全部が水の泡になってしまうのは、自分自身で一番許せないことだからやめられないのです。
価値あること
出来ないことを出来るようにしてこそ、仕事としての価値が生まれ、次のステージが見えるのかなと思っています。
仕事で出来ることしかしないのは、マンションの同じ部屋の中で新しく作った作品を並べているだけの状態。
部屋がいっぱいになったら隣の部屋に行って、また作った作品を並べる、その繰り返しです。
出来ないことを出来るようにすることは、その部屋があるマンションから外へ出て、新しい建物へ行けるようになった状態。
出ていくまでは外に出る道も分からず、先の見えない世界を手探りで進むから大変だけど、出たら知らなかった新しい世界を見られる。
自分が今までいたマンションを外から眺めた時に初めて、そのマンションが何階建ての大きさだったのかもわかる、どの程度の仕事をしていたのかも分かる。
私は新しい世界が見たくて、自分のやってきたことを客観的に見たくて、その好奇心を満たしたくて続けているのかもしれません。
Izumi Kamei