日本の禁色「黄櫨染」と「黄丹」

和の色名

平成から令和へと元号が変わろうとしています。
早くもあと一週間を切りました。
私の人生においては二回目のビッグイベント。
なんだか不思議な感覚にとらわれながら…この時期にたくさん目にすることになる色のお話をしていきたいと思います。

禁色と言われる色があることをご存知ですか?
決められた人しかその色で染められた服を着ることは許されない。
そういった色のことです。

現代でも受け継がれている禁色は2色
この2色は絶対禁色と呼ばれています。
一つ目は天皇の礼服の色である『黄櫨染』

禁色の歴史は古く、聖徳太子冠位十二階の制度で序列を決め、自分より高位の色は禁色として使用が許されませんでした。
衣服の色によって位階がわかるという、今でも学校の学年ごとの色などでよく使われている方法ですね。
なんだか日本らしい。

濃い黄赤黄櫨染
この色は中天(天の中心)の太陽の輝く色をなぞらえたものです。

古代中国では黄色が大地の色であるという考え方が強く、黄河や黄帝などに黄色の字が使われることもそれに通じています。
その頃の中国では黄色が皇帝色であり、日本とは違うんですね。
このことからも日本の禁色が国独自のものであることがわかります。

日本の絶対禁色はもう一色あるんです。
それは皇太子の色である『黄丹』

皇太子さまがご成婚の折に着ていらした色なので覚えている方も多いのではないでしょうか。
こちらは旭日(朝日)の色なのだそうです。
やや鮮やかなオレンジ色ですね。

平成から令和へと移る一連の行事の中で天皇が黄櫨染をお召しになる姿をニュース等でご覧になるとき、そんなことを思い出してみて下さいね。

児島

《参考文献》色彩検定公式テキスト、日本の色世界の色、日本の色のルーツを探して

 

 

 

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