新・北斎展とジャパンブルー

色の色々


気になっていた新・北斎展に行ってきました。
見たかったのは何と言ってもこのジャパンブルー

葛飾北斎はこの「富嶽三十六景」など代表的なものが すぐ頭に浮かびますが、18歳ごろから90歳を超えるまで何度も号を変えながらものすごい数の絵を残しています。
画風もいろいろ。描いたものもいろいろ。
文庫本風の読み物に描かれた超ハイクオリティーなイラストや、掛け軸の美しい絵や版画の数々。
夕方から入場したので何十分も並んだりはしなかったのですが、終了時間までに全部見るのがヒヤヒヤなくらいの作品数でした。

そしてジャパンブルー
このブログの中でも何度か登場しています。

江戸時代中期まではタデアイ(植物)から採れた藍色で浮世絵を描いていました。
それらはすぐに色あせてしまう物でしたが、その後ヨーロッパから入ってきた プルシアンブルーという合成顔料は浮世絵を大きく変化させるものとなりました。

葛飾北斎たちに愛されたプルシアンブルーは見事な浮世絵を生み、ヨーロッパの人々に賞賛され、「ジャパンブルー」と呼ばれるようになっていくのです。

その頃は絵だけでなく着物も暖簾も家屋の屋根にも藍色が使われていました。
日本に来た英国人化学者がとても驚いて、「日本のいたるところで藍色を見る」と書き残し、「ジャパンブルー」と名付けたのです。

写真は新・北斎展で唯一写真撮影を許されたもの。
北斎の絵から人物や建物を切り取り、立体的に組み立てたものです。

江戸時代のお風呂屋さん
なるほどリアルに青ばっかり。
これじゃあ外国人が驚くのも無理ありません…。

ちなみにこの着物の青は初めに出てきたタデアイで染めたもの。
染めることで生地も強くなり、防虫効果もあって「いき」な色の代表色となりました。

藍色はものすごくバリエーションが多く面白いのですが、長くなりすぎるのでまた今度お話ししたいと思います。

PS:デニムの青も防虫効果を狙って色付けしたものだってご存知でしたか?

児島

《参考文献》AFT色彩検定公式テキスト1級編、日本の色のルーツを探して、Japan Blue Jeans Topics

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