桃の花を見ながら

和の色名

 

少しづつ日差しも明るくなり、2月ながら春の気配を感じつつあります。
ひな祭りに合わせて桃の花の出荷も始まっているそうです。
(写真は去年の花。今年はまだこれから咲きます)

まだ肌寒いころの梅の花から始まり、桃の花桜の花と日本の春はピンクのリレーが続きますね。

こうやって見てみると同じピンク色のようでも少しづつ違っているのがわかります。
桃色というのは桃の花の色
と言っても実際はこの三種類の花、なかなか見分けがつきにくい…。
花びらの先が割れているのが桜、枝に葉がなく花だけが ひとつづつ 付いているのは梅、葉と花が同時についているのは桃なのだそうです。

そして果実の方は…。
原産地の中国では「仙人の果実」とされ、食べると寿命が延びたり不老不死を得られると言われていました。

西遊記の中でも孫悟空が不老不死の桃を食べてしまったシーンがあり、三国志も桃園で義兄弟の約束をするシーンが初めに出てきます。
なんとなくピンク色の美しい場所に3人の若者が集まっているところを想像してたけど、そこが桃園だったことには不老不死や生命力や魔よけに通じる大事な意味があったのかもしれません。

日本では何と言っても桃太郎が有名ですが、桃から生まれたことには大きな意味があります。
桃は日本でもよみがえり厄除けの果実とされていたのです。
そのため桃太郎も桃から生まれるのだとか。

古事記の中でも黄泉の国の軍勢に桃を投げつけて退治する場面が描かれています。

う~ん、古いお話に桃は何度も登場するんですね。

さてこんな話も思いめぐらせながら今年の春を感じてみたいと思います。

児島

《参考文献》生薬ものしり事典、色で巡る日本と世界、EVERGREEN植物図鑑

 

 

 

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