特技=得技になる!?(2)では、目的を持ってアイデアを実行するために、例えとしてカレーの材料集めの話を書きました。
ニンジンや玉ねぎという野菜は黙ってカレーになってもらえるけれど、人間の場合は難しい、ということの続きです。
カレーを作る場合、料理人と材料の関係は一方的な支配する関係ですよね(笑)黙っているから思い通りに動かせます。
最初にカレーと思っていても、途中で肉じゃかに変更することだって、自分の好きなようにできます。
チームで仕事をする場合、チームリーダーとチームメンバーの関係は、人間同士で感情がありますから一方的な支配では動かせないわけです。
「人を動かす」というデール・カーネギーの有名な本は、人に思い通りに動いてもらうためのテクニックについてまとめられている本です。
日本語に訳された「人を動かす」というタイトルだけを見るならば、何となく上から的な語感で、私は好きではありません^^;
英語のタイトルは「How to Win Friends and Influence People」ですから、どのように人に影響を与えるか的な意味合いになり、動かすをどうしても使うなら「人が(影響されて自然に)動かされる」ではないのかなと。。
注意したいのは Win の意味で、勝ち負けの Win ではないと本の内容を読めば分かります。
友を得る、つまり友から信頼を得る、という意味になり、簡単にタイトルをまとめると
「友から信頼を得て、周囲を巻き込む方法」になるでしょうか。
人の上に立って人を支配して動かす、動いてもらう、という意味ではないと思っています。
英語のタイトルが How to から始まることからも分かりますが、内容は人と接する際にどのようにしたら良いかをのテクニックをまとめたハウツー本です。
完璧なクリスマスデート!!的な恋愛ハウツー本のようなテクニックを、もっと深く人間の本質部分に掘り下げてどうするか、というテクニックのハウツー本ですね。
しかし人間の本質だからこそ、そのテクニックは変わらないものであり、書かれてから70年以上経っていても読まれている本なのだと思います。
さて本題のリーダーとメンバーの関係性についてですが、これこそ友から信頼を得る、信頼関係が土台にあり、支配では成り立たないと考えています。
お互いが信頼し合い、お互いに良い影響力を与え合いながら進んで行くことが理想であり、その進む先がどこなのかを伝え続けるのが、チームを作った、またはまとめるリーダーの役割です。
根本にある考え方は「私たちは○○したい、だから○○していこう」というもので、「私が○○したい、だから○○してね」ではないということです。
具体的な例では、オバマ大統領の名スピーチ「Yes, We can」でしょうか。
伝えるのが役割なので、その伝え方、言い方や言葉の選び方がとても大事なことだと感じています。
長くなりましたが、最後にまとめます。
信頼関係という土台である、信頼を得るためにはどうしたらよいのか、これが「人の心を動かす」ということで、先ほどから書いているデール・カーネギーのタイトルの本質は「人の(心を)動かす」です。
ずばり、私が持っている30年以上前に買った「人を動かす」本の表紙に書いてありました。
私が大学生の時に、講義の教材として当時は何も知らずに買った本です。
人の心を動かす、大変難しいことですが、動かそうと思うから難しいのかなと^^;
イソップ童話の北風と太陽のように、無理に今すぐにでも、と権力に任せて力で動かそうとはしてもだめですね。
自分たちの行く先をみんなで進もう、みんなでお互いに応援しながら進んでいこう、という応援をすること、またはしてもらうこと
さらにどんな場面においても誠実に対応すること、その積み重ねが信頼につながり、ゆっくりと土台を作るのかなと思います。
それぞれが持っている小さな得意なことを集めて、影響を与え合い、それをまとめた状態でお仕事のレベルに引き上げて大きな得技=特技にする。
この目的のために、私はチームを作り今も活動しています。